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新着情報

B型肝炎訴訟 4月15日福岡高裁を受けまして
2019-04-15
重要
 2019(平成31)年4月15日、福岡高等裁判所第5民事部(山之内紀行裁判長)は、慢性肝炎が再発した原告2名の請求を認めた原審・福岡地裁判決(平成29年12月11日,判例時報2397号59頁)を破棄するという不当判決を下しました。

 原判決は、HBe抗原陽性慢性肝炎発症時に、再発したHBe抗原陰性慢性肝炎の損害がすでに発生しているとみるのは非現実的であるとし、賠償を求めることは不可能であるとしていました。これは正しい医学的理解であり,これをもとに、被告国の除斥適用の主張を排斥し、原告の請求を認容していたのです。
 
 しかし、福岡高裁判決は、概要、以下の理由で原審の正当な法的判断を覆しました。
・HBe抗原陽性慢性肝炎発症後、セロコンバージョンした後のHBe抗原陰性慢性肝炎は、例外的な症例であるとともに、先に発症したHBe抗原陽性慢性肝炎と比較して、より進んだ病期である。
・ところが、慢性肝炎は、長期の経過の中で、肝機能が軽快、増悪を繰り返すことがもともと多く、これらはすべてHBVへの免疫反応に過ぎない。核酸アナログ製剤が登場した現在では、HBe抗原陰性慢性肝炎の病状が重いとは直ちにいうことができない。
・そのため、HBe抗原陰性慢性肝炎がHBe抗原陽性慢性肝炎とは質的に異なる新たな損害とはいえない。

 しかしながら、本判決も認めるとおり、HBe抗原陰性慢性肝炎は、例外的であることから、最初のHBe抗原陽性慢性肝炎発症時において、客観的にその損害賠償請求権を行使することはおよそ不可能です。また、本判決も認めるとおり、HBe抗原陰性慢性肝炎はHBe抗原陽性慢性肝炎より進んだ病期にあり、投薬治療が必要不可欠であって、より進んだ新たな損害にほかなりません。

 そもそも本件で、被害者の患者の皆さんは、何の落ち度もなく、誤った国の公衆衛生行政によりB型肝炎ウイルスに感染させられた方々です。具体的事実関係を見ても、むしろ損害発生から20年間という除斥期間が適用される被害者らは、それだけ長期に渡って苦しみ続けた人々です。
 
 本件判決は、そのような社会的背景から目を背け、司法の役割として国民から期待されている紛争解決機能、被害者救済機能をも果たさずに、国の「逃げ得」を認める著しく不当な判決といわざるを得ません。

 本件の原告の皆さんたちは、このような明らかに誤った判断に基づく不当判決に屈することなく、司法による当然の是正を求めて、ただちに上告することを決意しています。私も、不合理な除斥の壁に立ち向かう被害者全員の救済を求めて、全国B型肝炎訴訟長野県弁護団の一員として,全国の原告団、弁護団、支援者の皆様とともに闘い続ける決意です。 
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