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夜明けの翼法律事務所
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過去のオンエア内容

第88回:復讐心だけで,証拠が無く訴えを起こすことは?
2013-06-26
数年前に私を傷つけた人のことが,どうしても許せません。証拠はないのですが,復讐をするために裁判を起こしたいと思います。でも,ちょっと心配なのが,訴えたこと自体で,逆に相手方から訴えられてしまうのではないかということです。そのようなことはありますか?(40代,女性)
柳田:今日は,復讐心から裁判を起こしたいけど,証拠が手元にない,というご相談ですね。う〜ん,まあ,「復讐心」っていうと聞こえが悪いですが,実際こういう理由で裁判を起こしたいという方は多いようにも思いますね。まず,裁判を起こすのに,証拠は必ず無いとだめなんでしょうか。
板谷:基本的には,証拠がないとだめですね。
柳田:やっぱり,そうなんですか…。
板谷:はい。裁判というのは,公平中立な第三者である裁判官に証拠を提出して判断してもらうという手続なんです。裁判官は神様ではありませんから,人の心を見抜いて,相手が嘘をついているかどうかなどを判断するわけにはいきません。判断をするためには,客観的な証拠や証言による裏付けが必要です。
柳田:そうなんですね。でも,さきほど,「基本的には」と言われたのが気になったんですが,証拠を提出しなくてもよい場合というのがあるんですか。
板谷:はい,民事裁判のルールでも「自白」という言葉を使うんですが,
柳田:自白ですか。
板谷:はい,自白です。相手が認めている事項については,裁判所はそのまま認定すればよいということになっています。ですから,相手が認めている事項については「争いのない事実」ということで,いちいち証拠を出さなくても大丈夫です。
柳田:なるほど。でも,通常,損害賠償などの裁判を起こして,相手がすべて認めるということはないですよね。
板谷:全くないわけではないですが,通常はないですね。もっとも,相手が裁判を起こされているのに,反論の答弁書も出さずに欠席すると,すべてを認めたものとして扱われてしまいます。
柳田:そうすると,裁判を起こされると,何もしないと全て認めたことになってしまうので,被告になった人は,どんなに事実無根の裁判を起こされても無視できず,間違っているところは間違っていると反論しなければならなくなるんですね。
板谷:そうですね。しかも,裁判ですから,弁護士を付けないとなかなか難しいので,訴えられた被告というのは,いろいろな負担がかかることになりますね。
柳田:そうなると,復讐心から,嫌がらせのために裁判を起こして,あわよくば相手が何も反論しないでそのまま裁判で勝ってしまおうと考えるような人も出てくると思いますが,証拠がないのに裁判を起こすことは違法にならないんですか。
板谷: 憲法には「何人も裁判所において裁判を受ける権利を奪われない」とありますので,紛争解決のために訴えを提起することは,原則として正当な行為とみなされます。ただ,訴えを提起された側にとっては,弁護士を依頼して応訴したりするなどの経済的・精神的負担を余儀なくされますので,相手に不当な負担を強いるような訴えの提起は適切とはいえないですね。そこで,この点で最高裁の判例が出ていまして,最高裁は,「提訴者の主張した権利又は法律関係が根拠を欠くものであることを知りながら,あるいは容易にそのことを知りえたといえるのにあえて訴えを提起したなど,訴えの提起が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くと認められるとき」には,訴えること自体が不法行為になるとしています。
柳田:ええと,ちょっと言葉遣いが難しいんですが,もうすこしかみ砕いていうとどうなるんでしょう。
板谷:要するに,証拠が無くて,事実無根だということを知りながら,単に嫌がらせのためだけに裁判を起こすということは,裁判制度の趣旨にそぐわないので,訴えたこと自体が違法な行為となることがあるということですね。
柳田:そうすると,訴えたこと自体で,相手から訴えられてしまうということもありうるということですね。
板谷:はい,そうですね。ご相談者の方も,数年前に何があったのか分かりませんが,証拠もないのに復讐をするためだけに裁判をするというのは,不法行為になって,逆に損害賠償を払わなくてはならなくなる可能性もありますし,何より精神衛生上よくありませんので,やめた方が良いと思いますね。
柳田:う〜ん,そうはいっても,なかなか許せないという方もおられると思いますが,どうすればいいんでしょうね。
板谷:いろいろな考え方はあると思いますが,一つの方法として,「こんな人を相手に争うのは自分がもったいない,相手には自分が怒るに値するだけの価値はない」と考えてみるのはどうでしょうかね。
柳田:相手と同じレベルで争うのでは無くて,もう少し上からの目線になって,自分の貴重な時間と体力を,こんな相手のために使うのはもったいない,だったらとっとと記憶から消し去った方がいい,と考えるということですかね。
板谷:はい,そうですね。若干悔しいかもしれませんが,そんな相手のことは忘れて,前を向いた方がいいと思うんですよね。
柳田:なるほど。わかりました。
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